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先輩 27

陽菜は着替えないからじゃまにならないように
外のドアの近くに立ってみんなを待つ

カチャッ

「あ、陽菜ちゃんお疲れ(-∀-`) 」

「お疲れ様でした」

嬉しけど嬉しい顔をしちゃダメ
まだドアが開いていて中からみえるから

「おぅ、おつかれー
帰りも自転車で送って貰うのか?」

「はい」

同じ方向の秋元先輩

「私も夏休みの間だけ自転車で通おうかな」

「そうしなよ、絶対自転車の方が早いよね、陽菜ちゃん」

「は、はい」

「だったら私が乗せてあげようか?
和美は遠回りになるでしょ」

「先輩に迷惑をかけれないので
和美に乗せてきてもらいます」

「やーいフラれてやんの(笑)」

「そ、そう言う事じゃないだろ(汗)」


先に着替えていた三年生が全員出てこられてすぐ
1・2年生も出て来た

「じゃー帰ろうか」

「そうだ、あっちゃん達がまた宿題一緒にしたいって言ってたから
予選終わりの休みに行くね」

「えっ・・・あっ・・・・えーと・・・」

チラッと二年生の方を見ると凄い顔して睨んでる

どうしよう・・・なんて断ればいいんだろ(汗)

「近いんだからさ才加もおいでよ」

「おいでって、優子の家じゃないだろ(笑)」

「そうだけど、後2・3人なら出来るよね?」

「はい」


つい返事しちゃったじゃん(汗)

「佐江はどう?」

「佐江はりんちゃんとするに決まってるでしょ」

「そっかー、じゃー二年生で誰か行きたい人いる?」

「だ・か・ら、優子の家じゃないのに迷惑だろ」

「今いいって言ったもんねー」

「はい」


首を傾げて言われたら返事するしかないじゃん

誰も手をあげない2年生

「じゃー1年生で来る人」


全員手をあげてる・・・・(汗)


「うわっそんなたくさん入れるかな(汗)」

「ダイニングテーブルに6人座って
ローテーブルに4人座れば大丈夫です」

「そっか、じゃー決まり(-∀-`)
優子先輩が教えてあげるからね」

「はい、よろしくお願いします」

1年生全員で頭を下げる


2年生はというと・・・
悔しそうにしてるのは気のせいかな


だって優子先輩を好きな人は陽菜にきつく当たってるんだから
陽菜の家に来れるわけないよね

それがわかっていて言いだしてくれたのかな?

それにこうやって大っぴらに言う事によって
贔屓?されてる事にならないし・・・


陽菜のためだったら嬉しい(бвб) 
そんなことないと思うけど・・・・・




次の日から気のせいかもしれないけど
優子先輩が2年生に声をかける回数が増えたような気がする

もちろん一年生や陽菜にもだけど・・・

気を使わせちゃってるのかな
大会前なのにこんな事じゃダメだよね


休憩中一年生と手分けして飲み物を配っている時
少し離れた所に1人で休憩していたから
今しかないと思い


「お疲れ様です」

「あ、ありがとうだいぶ普通に歩けるようになったね(-∀-`)」

「はい、もう大丈夫です!だから・・・・
優子先輩は自分のことだけをしてください」

「ん?どういう事」

「後輩に気を使ってらっしゃるようにみえるので
私達のことは気にせず練習に集中してください!」

「・・・・・・・・」

「生意気言ってすみませんでも・・・・
最後の予選会だし絶対に本戦へ行っていただきたいので」

「はぁ・・・・陽菜ちゃんに見破られるようじゃダメだな」


だって入学してからずっと見てきたから
表情や変化がすぐわかるんだもん

「うん、そうだよね集中しなきゃさや姉に勝てないよね」

「はい(бвб)あ・・・・山本先輩にも頑張ってもらいたいですけど(汗)」

「アハッ、確かに後輩として一人の先輩を応援しにくいよね(笑)」

「・・・・・・」

何も言えずにいると


「よし、予選だけど
にゃんにゃんの為にベストタイムを出すことを誓います」

「え!?」

「だから私を応援してね(-∀-`)」

「はい!」

陽菜のためだけ?
どうしよう、嬉しい(бвб)


「優子、そろそろ始めるぞ」

「はーい、あ、これありがとう(-∀-`)」

そう言って飲んだコップを陽菜に手渡す優子先輩


それからは自分の事だけを黙々とやりだした先輩


また2年生に何か言われるかもしれない

でもいい、優子先輩が輝いてるのを見れるんだから


先輩 26

最後に四人で写真を撮ったけど
載せる時は顔を隠すようにお願いした
なのに・・・・

次の日の夕方同級生から電話がかかってきた

(昨日優子先輩、陽菜の家に居た?)

「え?なんで・・・・」

(前田さんのインスタ見てる先輩がいて
あのTシャツは絶対に優子先輩のだって言ってて
その横の小さい人のリボンはたぶん高橋さんで
黒髪は前田さんだし
顔は隠してたけどあの髪型と耳は陽菜だって騒いでたんだ)

うそ・・・・何でバレルの(汗)

嘘はつきたくないから


「昨日三人でお見舞いに来てくださってた・・・」

(やっぱり?すごい怒ってたよ)


仕方ないじゃん陽菜が無理やり呼んだわけじゃないのに

「どうしよう・・・・」

(この際、告白してきっぱりフラレたら収まるんじゃないかな)


ふられる前提なんだ・・・・まあ、そうだけど・・・


「ふられるのが分かってて告白できないよ
その後絶対に気まずくなるもん」

(そうだよね、引退する前ならいいけど
まだ二ヶ月以上顔を合わせるもんね)

「先輩に嫌味言われても我慢する」

(大丈夫?)

「頑張る」


だってそうしないとクラブ出れないもん


(私達もなるべく一緒に居てあげるから)

「ありがとう」


(いつぐらいから来れそう?)

「もう、杖がとれたから
月曜日から行こうと思ってる」

(そっか、じゃー和美に言っておいてあげるね)

「電車で行くから」

(いいって、陽菜いつもがんばってくれてるから)

「ありがとう(бвб)」


最高の同期
優子先輩が引退したらやめようと思ってたけど
辞めれなくなってきちゃったかも(汗)


秋元先輩に月曜日から行きますと連絡して
和美に迎えに来て貰い久しぶりに行ったクラブ


「おはようございます
今日からまたよろしくお願いします」

全員の前で挨拶をすると
2年生の一部の人達から睨まれてるのがわかる


ふぅ・・・一生懸命すればわかってくれるかな

その日は今までより声を出し
まだ走れないからなるべく先に先に動くようにして頑張った

陽菜なりに頑張ったつもりだったのに
練習が終わり三年生が見えなくなると


「邪魔」

ドン!

まだ踏ん張りがきかず倒れてしまった

「すみません(汗)」

でも謝るのはもちろん陽菜からで・・・

「ハッ、大げさ(笑)」

「・・・・・」

「ろくに仕事も出来てないんだから
学校始まるまで休んだら」


悔しくて涙が出そうになったけど
負けたくなくて踏ん張った


「すみませんでした
私達がフォロー出来てなかったです」

和美たちが駆け寄って来て起こしてくれて
何も悪くないのに謝ってくれた

その方が悔しくてした唇をギュッとかんで我慢していたら


「何してるの」


3年生は全員部室に入ってると思ったら
宮澤先輩が部室の裏から出て来た

スマホを持ってるからたぶん電話してたのかも

「小嶋さんジャージ汚れてるけど」

「あ・・・・・今コケてしまって(汗)」

「今日頑張ってくれてたから疲れたんじゃない?
ゆっくり寝て明日も宜しくね」

「はい!(бвб) 」


今度は嬉しくて涙が出そう(汗)


「マネージャー1人だし
1年生も人数少ないから2年生は手伝ってあげてね」

「はい・・・・」


先輩に言われたら嫌と言えないから
バツが悪そうに返事してる2年生


「ほら、早く着替えよう」

そう言って全員をが促され部室へ入った


先輩 25

ねん挫してから一週間

病院へ行くと

「もう杖はいいでしょう」

「まだ痛いですけど」

「軽く固定しておきますから飛んだり
走ったりはまだしないでください」


するわけないじゃん

びっこを引くような歩き方だけど
足をついても大丈夫になった

でもまだクラブには行けないか・・・・




次の日、雨音で目が覚める

「凄い雨・・・今日もクラブあるのかな」

普通の雨なら校舎の中を走ったり
体育館が空いていればストレッチをしたり

トレーニングをするんだけど
きょうはどうだろう・・・・

そんな事を思っていると
クラブの連絡LINE通知が来た

(今日のクラブは休みです
遊ばず宿題するように)

やっぱりお休み、陽菜には関係ないけど・・・

スマホを置きもう一度目を閉じる



「いつまで寝てるの、もうお昼よ」

「うぅ〜ん・・・」

「毎日遅くまで起きてるから朝起きれないのよ
学校始まったらどうするの」

「ちゃんと起きるし」

「お母さんでかけるから勝手にご飯食べてね」

「えぇ〜用意していってよ」

「してあるわよ」

「さすがママ♪
でも、こんな雨なのに出かけるの?」

「何言ってるの、とっくに止んだわよ見て見なさい」

カーテンを開けられると日差しが差し込んできた

「散歩でもして来たら」

「早く治したいからいい」

「たまには日に当たらないと今度は病気になるわよ」

「昨日病院行く時浴びたし」

「はぁ・・・もういいわ勝手にしなさい」

「はーい(бвб)」

呆れた顔をして出て行くママ


お腹すいて来たし下に降りようかな


パジャマのまま階段をひょこひょこ降りて行くと
ママが玄関からちょうど出て行く所だったから

「いってらっしゃい」

て言うと振り向かず手だけあげて出て行った

「なんかカッコつけてるし(笑)」


下まで降りると微かに外で話す声が聞こえる


「いらっしゃい、玄関開いてるから入って」

「誰だろ、陽菜パジャマなのに、みーちゃんかな」

ドアがゆっくり開き入って来たのは

「こんにちは」

「ゆ、優子先輩(汗)」

「ご、ごめん早すぎたかな(汗)」

「え!?」


そしてすぐ自分はまだパジャマだった事に気が付いた


「き、昨日遅くまで宿題していて(汗)」

「そうなんだ、さっきLINE送ったんだけど
まだ見てない感じだよね(汗)」

しまった、起こされてからスマホ触ってない(汗)

「えーと・・・」

「あ、つえ取れたんだね、歩いても大丈夫なの?」

「はい、まだ普通には歩けませんが少しなら大丈夫です」

ガチャッ

「もう、優子こぐの速すぎ」

そう言って入って来たあっちゃんとたかみなさん

「あれ、にゃんにゃんまだパジャマなの」

「すぐ着替えてきます(汗)」

「慌てなくてもいいよ、
可愛いパジャマが見れてラッキーだったし(-∀-`) 」

「うわぁっ変態発言」

「違うよ、素直な気持ち(-∀-`) 」

「あのう、どうぞ上がって下さい」


何をしに来たのかわからないけどとりあえず上がって貰う事に


「お邪魔します」

「これお見舞いのケーキ」

「ありがとうございます」

受け取ろうとしたら

「まだ危なっかしいから私が用意するね
台所使ってもいいかな」

「先輩にそんな事・・・」

「今日は先輩としてきたんじゃないから
四人で居る時は無礼講でしょ」

「でも・・・」

「優子家事得意だから任せればいいよ(∵)」

「そうそう、あっちゃんちに行ってもするのはいつも私だから」

「にゃんにゃんは着替えといでや」

「じゃ・・・お願いします」

急いで顔を洗い二階で着替えて下へ降りて行くと
四人分のお皿に乗ったケーキと
ジュースが用意されてあった

「お待たせしました」

「ご飯用意してあったけどお昼まだだった?」

「大丈夫ですケーキがありますから」

「あっちゃんなら無理だよね(笑)」

「当たり前(∵)」



ケーキを食べ終わり

「じゃーそろそろ始めようか」

「はい」

さっき二階へ上がった時スマホを見た

(宿題一緒にしよう、今から三人で行くね)


もっと早く気が付いていれば着替えてから降りたのに
陽菜一生の不覚・・・

「わからないところあったら聞いてね(-∀-`) 」

そう言うと本を取り出した先輩

「・・・・・?」

読書感想文かな


ふと目が合い焦る

「ん?どうかした」

「宿題は・・・」

「私はもう終わったよ」

「えぇぇっ」

「優子はいつも早いんだよ
夏休みの宿題は終わりかけに慌ててやるのが醍醐味だろ」

「そんな事言って去年は手伝えって
一日前に持ってきたの誰(笑)」

「たかみなだろ」

「違うわ(怒)」

「だから今年はクラブ終わってからたまに
こうやって宿題を見てあげてるんだけど
今日はクラブ休みで一日空いたから
見てあげようかって言ったら
にゃんにゃん暇そうにしてたからって言うから来てみた
迷惑だったかな(汗)」

「いいえ、陽菜も一人でするよりみんなでやる方が捗るので」


その言葉通りドンドン減っていく宿題
この時期にこんなに進んだのは奇跡に近いかも
中学の時なんてあっちゃんと同じく
陽菜はママに手伝ってもらってたもん


「ただいま・・・あら、ちゃんと勉強してるじゃないの(笑)」

「お邪魔してます」

「三人いたのね(笑)
おやつにホットケーキ作ろうと思うんだけど食べれるかしら」

「いただきます(∵)」

もちろん一番に返事したあっちゃん

「よし、今日はここまでにして・・・お手伝いします」

「いいのよ、お客様なんだからゆっくりしてて」

「いえ、作ったりするの好きなので」

「そう、じゃーお願いしようかしら
材料はこれと・・・これね」

生地を作り始める優子先輩
その他の雑用の手伝いをするたかみなさん

三年生が動いてるのに1・2年の陽菜達・・・もとい
あっちゃんは座って応援してるだけ

焼くのだけでも手伝わなきゃ

「私が焼きます(бвб) 」

「アハッお願いするね(-∀-`) 」


とびっきりの笑顔が見れる幸せ

こんな事してるのがもし2年の先輩にバレタラ・・・
クラブにいれなくなるかも(汗)

まあ、バレる事は無いだろうけど


出来上がりに生クリームを乗せ
缶詰のフルーツを添え写真を撮る

「凄ーい上出来!」

「俗にいうインスタ映えするやつだね」

「あっちゃんインスタされてるんですか?」

「してるよ、にゃんにゃんもしてるの?」

「はい」

「フォローし合おう」

「はい」

「え〜私だってしてるのに」

「えぇぇ!!」

「何その驚きかた、私だってしてるから(笑)」

「すみません、意外だっので(汗)」

「あっちゃんの所から申請しとくから」

「はい」


ドンドン優子先輩と繋がっていくけど
それ以上は期待すればするほど自分が辛くなるだけ


だから、優子先輩はみんなに優しいんだって言い聞かせた





先輩 24

もちろん次の日からいきなり宿題をするわけもなく
一日目はダラダラして過ごした

二日目は少しだけ机に向かい・・・・
眠くなったから横のベットに入ってお昼寝したから
なかなか寝れなくて
夜遅くまで深夜番組を見て
お昼近くに起きる

その繰り返しで過ごした五日目

「ピンポーン」

来客を知らせる合図

お母さんがいるから気にせずテレビを見ていると

「陽菜!前田さんと高橋さんが来てくださったわよ」

うそ・・・今部屋に来られたらやばい事になる
こんな部屋見せられないし(汗)

「すぐ降りる」


流石はママ、この言葉だけでリビングに通しておいてくれた

足をつけても激痛は走らなくなったけど
まだ痛いから杖をついて降りて行く

「こんにちは」

「あ、本当に松葉づえついてるんだ(∵)」

「はい、まだ少し痛むので」

「ケーキ持ってきてくださったから出すわね」

「ありがとうございます」

「気にしなくていいよ
敦子が食べたいだけやから」

「たかみなは帰れ」

「なんでやねん」

「今日は女子だけの会だからだよ」

「高橋さんて男性なんですか?」

「ママ(汗)髪の毛くくってるから」

「そうよね、びっくりしたわ(笑)」

「もういいからあっち行ってて」

ついでに部屋を片付けてきてくれたらうれしんだけど
ここでは言えないから困る

「どうされたんですか?」

「ん?・・・あぁ・・・優子がさ
にゃんにゃん退屈だと思うから
暇だったら遊びに行ってあげてって言うから来た」


「優子先輩が・・・」

「急に休むって言われたって気にしてたよ」

「優子先輩は何も気にしなくていいのに」

「だって朝のっけて行ったのに
帰りは振られて次の日から休むって
どう考えても優子のせいでしょ?」

「違います!、優子先輩は悪くないです
私が軽率だったから・・・
もし先輩に何かあったら責任取れませんから」

「誰かにそう言われたんだ(∵)」


あっちゃんのまっすぐな目に見られたら嘘が付けず

「・・・・・・」

コクンと頷いた

「そんな事気にしなくていいのに
もし何かあっても優子から言いだしたんだから
優子のせいじゃん」

「いえ、私が断ればよかったんです」

「でも、断れなかったんだよね
行きたかったんでしょ?」


クラブにというより、優子先輩のいる所にだけど・・・

「家にいる方がほとんど足を使わないから
早く治りそうです(笑)」

「それならよかったけど・・・」


あっちゃんに見られると
全部見透かされそうだからあまり目を見れない
だからつい、たかみなさんを見てしまう

「・・・・・('A`)」

「何赤くなってんだよ(怒)」

「べ、別に赤くなってないやん(汗)」

「にゃんにゃんこんなの好きなの?」

「こんなのってなんやねん(怒)」

「私は皆さんが好きです(бвб) 」

「・・・まあいいけど」


嘘じゃないもん、あっちゃんもたかみなさんも好き
でも優子先輩はもっと好き・・・

「さーて、ケーキも食べた事だし帰ろうかな」

「敦子はケーキ食べに来たんか」

「お見舞いと言えばケーキだろ」

立ち上がって帰るのかと思ったら陽菜の横に座ると
スマホを出し

「もっと頬引っ付けて・・・はい(カシャ)」

「・・・・・?」

「うん、二人共可愛いからこれで良し」

そう言ってスマホをなおすと

「ほら行くよ」

「私も入れてや」

「たかみなはいいんだよ」

「なんでや(汗)」

「にゃんにゃんの写真見てニタニタしてたらきもいだろ」

「そんな事せえへんわ」

「絶対にかよ(∵)」

「・・・・・・・帰るか」

正直すぎるたかみなさん(笑)

立ち上がろうとしたら


「にゃんにゃんはここでいいよ
おばさん、お邪魔しました」

そう言ってママに声をかけ帰って行った

結局何をしに来たんだろう
様子を見に来てくれただけなのかな?

先輩 23

「小嶋さんちょっといい」

そう言って休憩時間に2年の先輩に連れて行かれた校舎の裏

「ちょっと可愛いからって調子乗ってるよね」

「そんな事・・・」

「優子先輩は今大切な時期なんだよ
インターハイではまさかの2位だったでしょ
記録的にも実力的にも優勝しておかしくなかったのに・・
だから最後の国体は絶対に落とせないのに
自転車で二人乗りしてて怪我でもしたらどう責任取るつもり」

「・・・・・」

「そんな足で練習出て来ても邪魔になるだけなのに」

「・・・・」

「優子先輩は誰にでも優しいんだから勘違いしないでよね」

「はい・・・・」


そんな事わかってるもん

「帰りは私が送るからちゃんと断る事!いい」

「はい」


幸せは一日・・・ううん朝だけで終わってしまった

なるべく明るくしてたんだけど
2年生に呼び出されたのを知ってる同級生達が寄って来てくれて

「何か言われたの?大丈夫?」

「ううん・・・ありがとう
迷惑かけてごめんね」

優しい言葉にちょっぴり泣きそうになる

「明日から治るまでお休みする事になっちゃった」

「私自転車だから迎えに行ってあげようか?」

「ありがとう、でも今日だってタイムしか計かる事しか出来てないし
マネージャーの仕事もちゃんと出来ないから・・・」

「松葉杖取れたら言いなよ
迎えに行ってあげるから」

「ありがとう、その時はお願いする
それと、今日なんだけどサキ先輩が
送って下さるって言ってくれたんだけどわるいから
送って貰えるかな(汗)」

「優子先輩はいいの?」

「あ、うん・・・何かあったら困るから断ることにしたの」

「そっか・・・いいよ」


同級生がみんな優しくてもっと大切にしなきゃって思った



練習が終わり
サキ先輩には同級生が送ってくれるからと断った

救急箱ぐらい持てるから部室に運んでいると
優子先輩が後ろから来て

「ついでだから持って行ってあげる 」

そう言って取ろうとするから
隠すように後ろでもった

「いいです(汗)先輩にさせられないので」

「そ、そうだね」


帰りの事も言わなきゃ


「あ、あのう、今日の帰りは
同級生で寄り道して帰る事になったので
友達に送って貰います」

「そうなの?」

「はい、で、明日からやっぱり休む事にしたので・・・
朝、迎えに来ていただかなくても大丈夫です
今日はわざわざありがとうございました!」

一気に言って頭を下げた

「・・・・・・」

何も言ってくれないからそっと頭をあげると
これでもかっていうくらい眉をハの字に下げた優子先輩

少し間が開き

「そうだよね、無理やり誘ってごめんね」

「そんな事・・・」

「ゆっくり家で休んで早く治してまたクラブに出ておいで」

「はい」


そう言って部室へ入って行った



先輩に嘘をつくのは嫌だから
みんなに声をかけ全員でファーストフード店へ

もちろん先輩が誰もいないことを確認してから話し出す

「二年生てきついよね」

「そう思う、三年生は厳しいけど
基本優しいしフランクだから好きだな」


確かに怒られるのは一つ上の先輩からばかり
それが当たり前なんだろうけど・・・


「中でも優子先輩て優しいよね」

「そうそれ!宮澤先輩も優しいけど
また違った優しさだよね
甘やかすだけでなく時には注意してくれたり
飴とムチの使い分けが最高」


やっぱりみんなに優しいんだ
今日のお迎えだって目の前で怪我したから
仕方なく言ってくれたんだ

「私さ、合宿の時前田さんと抱き合ってるところ見ちゃったんだ」

「うそ、やっぱり噂は本当だったんだ」

「でも高橋さんと三角関係だとも聞いたよ」

「二人で前田さんを取り合ってるって事?
勝負は目に見えてるじゃん(笑)」

「そうだよね、どう見ても優子先輩だよね(笑)」


みんな楽しそうに話してるけど
一人だけ作り笑いをし、話に入れずにいた

「わぁーもうこんな時間じゃん
そろそろ帰ろっか」

一人の言葉にみんな立ち上がる

一人モタモタしていたら
手を貸してくれた

「ありがとう(бвб)」

「でもさ、どこでこれだけのねん挫したの」

「慌ていて家の階段踏み外したの
元々運動神経ないから受け身みたいなのとれなくて(汗)」

「陽菜って、ザ!女の子、て感じだもんね」

「そうかな」

「そうだよ、陽菜だったら前田さんに勝てるかもよ」

「え!?小嶋さん優子先輩の事好きなの」

「あ・・・うん・・・」


嘘をつくのも嫌だから本当のことを言った

「私は宮澤先輩の方が好きだな」

「私は山本先輩だね
インターハイ優勝した時お祝いのプレゼント渡したんだ」

「うそ、ぬけがけじゃん
私だって好きなのに」


人前で簡単に好きスキ言えるのは本当の好きじゃなくて
憧れなんだと思う
でも陽菜は・・・・憧れじゃない
だって凄いドキドキするし考えると寝れない時があるし
抱きしめてもらいたいって思うから




「わざわざ送ってくれてありがとう(бвб)
練習頑張ってね」

「良くなって松葉杖取れたら連絡して、じゃーね」

「うん、バイバイ」

後姿を見送り家に入る

「ただいま」

「お帰りなさい、遅かったのね」

「寄り道してたから」

「先輩迷惑じゃなかったの?」

「優子先輩じゃないから・・・
それと明日からやっぱり休む事にしたから
朝起こさないでね」

「・・・・・わかったけど
宿題先にやってしまいなさいよ」

「わかってる」


どうせ宿題しかやることが無いんだから・・・・


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