小嶋さんのボールを打ったのがきっかけだったのか
わかんないけど二年生のインカレではベンチメンバーに入れた
試合にだって一打席だけだったけど出してもらえた
もちろん送りバンドだけど・・・
優勝は出来なかったけどベンチの中から見るのと
外から応援しながら見るのとでは緊張感が違って
いい経験になったと思う
先輩が引退した冬の合宿で自分の守りたいポジションを言えと言われ
私は外野を守りたいと申告した
サードにはレギュラーの三年生がいたし
出れるチャンスがあるのは三人中二人がいなくなる
外野だと思ったから・・・
その冬、特守をしてひたすら頑張った
バッティングも小嶋さんに教わった事を反復し
ミートバッティングに徹した
でも・・・・・三年の春、外野を守っていたのは
おそらくその代ではキャプテンになるであろう
一つ下の後輩だった
仕方ないよ、まだまだ努力が足らなかったんだ・・・
自分に言い聞かせ頑張ろうと思っていたのに
みんなの前で監督に
「大島が副キャプテンだ」
え?どういう事・・・レギュラーでもない私がなんで?
佐江や有華がいるじゃん(汗)
二人はとにかく目立つ
プレーもそうだけどルックスもいいしとにかく目立つ
なのになんで私なの?
その日の帰り才加とご飯を食べに行き
自分の気持ちをさらけ出して泣いてたら
「才加も優子が適任だと思うけどな」
「ううぅ・・・なんでさ試合にも出てないし
後輩にだって注意も出来ないのに無理じゃん」
「注意したりみんなに言うのはキャプテンの仕事だろ?
その落ち込んでる人をフォローしたり励ましたりするのが
副キャプテンの仕事じゃん、ほら優子にぴったり!」
「うう・・そうかな・・・」
「そうだよ、才加も助けてあげるから頑張ってみなよ」
「うん、ありがとう」
佐江と才加とは仲良しで何でも言いあえる仲なんだけど
この相談は佐江には出来なかった
だって誰もが副キャプテンは佐江がなると思ってたから
おそらく本人も・・・・
佐江は何でも言ってくる
昨日小嶋さんとLINEしてててさーとか
小嶋さんチーム変わるらしいよとか・・・
小嶋さん情報はすべて佐江からだった
色んな情報を知れて嬉しい反面佐江の口から聞くのは胸が痛かった
自分のできる事をしよう!そう心に決め
ひたすら裏方に徹した
一年生の指導、先生やキャプテンに怒られた後輩のケア
もちろん練習も誰よりもやった
朝早く起きて走りに言ったり
空き時間にウエイトをしたりティをしたり・・・
それが良かったのかどうかわからないけど
夏の一番大事な試合でライトを守っていたのは私だった