「よし、そうと決まればこんなとこ出て行ってやろうぜ」

・・・いやいや、あなたは住んでないでしょって
突っ込みそうになったけどやめておいた

「無理、二部屋あってこの家賃のとこそうそう捜してもないんだから」

「いくら払ってるんだ」

「共益費込みで65000円」

「俺のスーツ一着分にもならねえな(笑)」

生地少なくて済むのに何でそんなに高いの?とは言わない

「結婚するんだから俺も出してやるよ(-∀-`) 」

「まだするって言ってない」

「おいよいよい、また話戻すのか(汗)」

「半分出して貰えたらマンションに住めるよ
そしたら隙間風とか入って来なくなるよ(∵)」

うっ・・・そうだけど・・・

「優希になるまでは一緒に住まないし
旅行にも行かない、それでいいならお願いします」

「わかったよ、じゃー俺が住む所見つけてきてやるから
引っ越す準備しといて」

「双子の学校があるからこの学区内だよわかる?」

「麻里子に聞く
それとここの住民にも俺がモノを送っておくから気にすんな」

「なんか・・・ありがとう・・・」

「ウハッ、素直な陽菜なんか怖いな(笑)」

「むぅ・・・どうしろって言うの」

「アハハ・・今週中に引っ越せるようにしとけよ」

そう言って帰って行った

今週中?・・・・今日は水曜日・・じゃなくて
木曜日になったから後四日しかないじゃん

そんなすぐマンション見つかるわけないし
今月中の間違い・・・・だよね?



寝不足のまま会社へ行き
睡魔と戦いながら仕事をこなしているとスマホが震えた


”いいところ見つかったから土曜の昼に引っ越しするぞ”

「はぁ?バカなの(怒)」

「小嶋さん(汗)」

つい大きな声を出してしまい気が付くと全員陽菜の方を見ていた

「すみません(汗)」

いそで謝るとみんな仕事に戻ったみたい

「何かあった?」

指原さんが心配そうに声をかけてくれた

「別に何もないです」

そう言えばパスポートまだ取りに行ってなかったっけ
旅行無くなったし急がないよね

それより大変だ(汗)
昼休みあっちゃんの部署へ行き引っ越しの事を伝えると

「荷物そんなに多くないし出来るんじゃないかな」

「そうだけど段ボールとか無いし」

「そっか引っ越しやさん頼まなきゃだね
段ボールもくれるみたいだしどこにしようかなー」

なんか楽しそう?

パソコンで値段を比べどこにしようか二人で悩んでいたら

またスマホが震え

”段ボール今日持って行かせる
陽菜達は詰めるだけでいいからな”

これって全部してくれるって事?

助かるけど、何から何までしてもらうのは気がひける

「ねえ、マンションの住所とか名前聞いてくれる」

「そうだね」

そう言えば何も聞いてなかった

”行ってからのお楽しみ”

返信を見せると

「大島さんてさ、ほんとにゃんにゃんの事好きなんだね」

「なんでこの返事からそうなるの?」

「だって、喜ばせたい気持ちありありじゃん(笑)」

「そうかな、自分勝手なだけじゃない?」

「男心分かってないね(笑)」

「あっちゃんは分かってるって言うの?」

「わかりやすいやつが近くにいるからね(笑)」

「あぁ・・・確かに(бвб) 」



家に帰ると大量の段ボール

・・・・こんなに物ないって・・・

「なんかね指原って言う人が持ってきたよ」

学童から帰って来ていた双子が受け取ったみたい

「指原さん?」

そう言えば早引きしてたかも・・・このためなの?(笑)

「土曜日に引っ越す事になったから
自分の物をここに詰めていって」

「え?ここ引っ越したらお父さん帰って来れないよ(汗)」

「大丈夫、お父さんには分かるようにしていくから」

そう言えば解放されたはずなのに
通帳持ったまま、またどこかえ消えちゃった

あれにはこの子達の将来の教育費が入ってたのに・・・

「お洋服とかも入れる?」

「それはお姉ちゃんがするから自分の物だけ入れていって」

「はーい」

段ボールを組み立ててる双子
そう言えばガムテープない・・・心配はいらなかったみたい
用意周到なんだね(笑)

スーパーに寄ってたあっちゃんも帰って来て
段ボールの多さに驚いてる

「これ売ったらお金になるかな」

「何十円にしかならないんじゃない?」

「そうだよね・・・しかし邪魔だな」

狭い部屋なのに、て、ブツブツ言いながら食事の用意をしだした